エリート上司の甘く危険な独占欲
「華奈さん、お先に失礼しますね」
「気をつけて帰ってね」
麻衣を見送り、華奈はハンドバッグを取り上げる。
(颯真さんはもう家に着いているはず)
今日の午後、彼は売上が停滞しているショップの改善策を練るため、異動してきた後輩社員を連れて視察に行くことになっていた。その後、直帰の予定である。
北欧や地中海沿岸諸国、東南アジアなどから多彩なインテリア雑貨を輸入販売するフィーカは、企業全体としては売上は好調だ。だが、一つ一つの店舗を見るとそうではない。売上が右肩上がりのショップもあれば、必ずしもそうではないショップもある。
颯真の苦労を思いながら、華奈はスマホを取り出した。すると、メッセージの受信を知らせるランプが点滅している。颯真からのメッセージかも、と思うと、胸が弾み、華奈はスマホにタップしてメッセージを表示させた。メッセージは颯真からだった。
『今日は来なくていい』
ぶっきらぼうな一言だけのメッセージだ。
(なんで? どういうこと?)
彼からこんなメッセージが来たことは今まで一度だってない。
「気をつけて帰ってね」
麻衣を見送り、華奈はハンドバッグを取り上げる。
(颯真さんはもう家に着いているはず)
今日の午後、彼は売上が停滞しているショップの改善策を練るため、異動してきた後輩社員を連れて視察に行くことになっていた。その後、直帰の予定である。
北欧や地中海沿岸諸国、東南アジアなどから多彩なインテリア雑貨を輸入販売するフィーカは、企業全体としては売上は好調だ。だが、一つ一つの店舗を見るとそうではない。売上が右肩上がりのショップもあれば、必ずしもそうではないショップもある。
颯真の苦労を思いながら、華奈はスマホを取り出した。すると、メッセージの受信を知らせるランプが点滅している。颯真からのメッセージかも、と思うと、胸が弾み、華奈はスマホにタップしてメッセージを表示させた。メッセージは颯真からだった。
『今日は来なくていい』
ぶっきらぼうな一言だけのメッセージだ。
(なんで? どういうこと?)
彼からこんなメッセージが来たことは今まで一度だってない。