エリート上司の甘く危険な独占欲
「すごい……」

 華奈は颯真に手を引かれながら、寺の中を見て回った。

「なんだか心が洗われるな」

 池の前で颯真が足を止めた。鏡のような水面に紅葉が映って神秘的だ。

「こんなにキレイだったら、湯豆腐より優先したくなるね」

 華奈がいたずらっぽく笑うと、颯真が華奈の左手を取った。そうして手の甲に唇を押し当てる。

「颯真さん?」

 柔らかな唇が手の甲をついばみ、華奈は頬を染めた。

 颯真は華奈の手を離して言う。

「本当の目的はね、これなんだ」

 颯真がジャケットのポケットから濃紺の小箱を取りだした。彼が蓋を開けると、大粒のダイヤモンドを抱いたプラチナの指輪が姿を現した。ライトアップの明かりを浴びて、指輪はキラキラと幻想的な輝きを放つ。

 華奈は指輪から颯真に視線を動かした。颯真はまっすぐに華奈を見つめている。

「颯真さん……」
「こんな気持ちになったのは華奈に対してだけなんだ。華奈、愛してる。ほかの誰にも華奈を渡したくない。俺と結婚してほしい」
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