エリート上司の甘く危険な独占欲
 かつて『結婚相手には向いていない』と言われたことのある自分だ。華奈はおずおずと口を開く。

「私、颯真さんと結婚していいの?」

 華奈の不安を吹き飛ばすように、颯真は不敵に笑う。

「悪いね、華奈は俺としか結婚できない。俺が華奈を離すつもりがないからね」

 独占欲に満ちた、だけど揺るぎない想いを伝える言葉。それが胸に染み込み、じわじわと熱い想いが沸き上がってきた。喜びに震えそうになりながら、想いを言葉にする。

「私も颯真さんを愛しています。颯真さんと結婚したいです」
「ありがとう」

 颯真は穏やかな笑みを浮かべ、華奈の左手を取った。そうして薬指に指輪をはめる。

「これで華奈は一生俺のものだって、みんなにわかるな」

 颯真が言って、華奈の指先にキスをした。

「華奈を幸せにする自信がある。一緒に幸せになろう」

 指輪のきらめきが目に染みて、華奈の目に嬉し涙が浮かぶ。見上げた颯真の表情が幸せそうで、華奈はどうしようもなく胸がいっぱいになった。 
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