エリート上司の甘く危険な独占欲
そういえば、昨日、颯真は落ち込む麻衣を励ますように、彼女の肩に軽く触れていた。セクハラに対して敏感な昨今では、ただの上司と部下という関係なら、普通、そんなことはしない。それに、バーでは颯真が『相原さんにあとで聞いたけど』と言っていた。二人が単なる上司と部下ではないことに、気づく要素はいくつかあったのに。
(これじゃ、『軽い女』どころか『最低の悪女』だよ)
罪悪感にさいなまれながら、華奈はほかの社員とともにエレベーターに乗り込んだ。斜め後ろに立っている麻衣の顔を見ることができない。
(颯真さん、いくらなんでもあんまりだよ。彼女と同じ部署の、しかも隣の席の私と寝るなんて……)
振られたばかりの女なら、簡単に落ちると思ったのだろうか。
(事実そうだったけど)
華奈は怒りよりも情けなさと、彼に買ってもらった服を着て喜んでいた自分への嫌悪感で、胸が押しつぶされそうだった。
(これじゃ、『軽い女』どころか『最低の悪女』だよ)
罪悪感にさいなまれながら、華奈はほかの社員とともにエレベーターに乗り込んだ。斜め後ろに立っている麻衣の顔を見ることができない。
(颯真さん、いくらなんでもあんまりだよ。彼女と同じ部署の、しかも隣の席の私と寝るなんて……)
振られたばかりの女なら、簡単に落ちると思ったのだろうか。
(事実そうだったけど)
華奈は怒りよりも情けなさと、彼に買ってもらった服を着て喜んでいた自分への嫌悪感で、胸が押しつぶされそうだった。