十人十色恋模様
前川くんってあんな感じの人なんだ。


わざわざ私に三条くんのことを言いきてくれて。


優しい人だな。


なんだか……いいな。


また話せるといいな。


と言っても彼は私のことはなんとも思ってないだろうけど。


「…………っ!!」


私、前川くんのこと気になっているのかもしれない。


双葉たちにはあんな風に言ったけど、今日話せて嬉しいと思ってる私がいる。


これってそういう事なんだよね?


きっと。


なんだか急に現実味が湧いてきた。


「待ってくださいっ!!」


「え?」


気づけば前川くんが私の手を掴み呼び止めていた。
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