極上男子っ!?
櫂くんが私を抱き止めている。
安心と怖さでうっすら涙目になる私を櫂くんは優しく頭をたたいた。
「あぶねーって言ってんのに俺らから逃げやがって。あとでお仕置きな」
そう言って私にデコピンをしたあと櫂くんはじろりと男の子を睨んだ。
「誰の女に手出したかわかってんだろうな」
冷たくするどい目。低い声。
それだけで怒ってるのがわかる。
昨日とはまた違うトーンに男の子たちがびくっとなる。
それでも振り絞って男の子は声を荒げた。
「そもそもお前が俺らのとこ荒らしたのが悪いんだろうが!」
「あぁ?売られた喧嘩を買ったまでだろ。礼参りなんてだっせぇことしてんじゃねぇよ」
櫂くんは動かない。ただ男の子たちを睨んでいるだけ。
それだけなのに、なんでこんなに怖いんだろう。
そう感じているのは私だけじゃなかったようで男の子たちも後退りしていた。
「待てよ」
逃げようとする男の子たちに櫂くんが近づく。
「待ち伏せまでしてひなに絡んでんだ。二度とそんな気が起きねぇようにきっちり俺が相手してやるよ」
櫂くんが絡んできた男の子たちを倒してしまって辺りは乱闘騒ぎになった。
警察沙汰になる前にと逃げるように私と櫂くんは路地のところに隠れて数分後。
謎に私は櫂くんに抱きしめられていた。
「あ、あの櫂くん…?」
「はぁーーーー、まさかほんとにお前にちょっかいかけてきだすと思わなかった。しかもお前言い返すし焦ったわ」
「ごめんなさい…」
「謝んなって。言ったろ?惚れ直したって」
そう言って櫂くんは私から離れた。
櫂くんのことを間近で見たことなかったけど、よく見ると本当にかっこいい。
茶髪で、切長で、やっぱり片耳だけしてる揺れるピアスが特徴的。
じっと見つめる私の視線に気づいたのか櫂くんは私の顔を覗き込んだ。
「なんだよ、惚れたか?」
「ち、ちがいますっ」
「まぁこれでお前は俺と付き合うしかなくなったな。俺の女宣言しちまったし」
驚いたように目を見張れば櫂くんはにやにやと笑っていた。
かっ確信犯……。
でも、と言葉を詰まらす私に櫂くんは顔をしかめた。
「そんなに俺と付き合うのが嫌なのかよ」
「だって私、櫂くんのことなにも知らないし」
「そんなんこっから知ってくだろ」
ばっさり切られてなにも言い返せない。
櫂くんはがしがしと頭をかいた。
「雨宮櫂、2-Bの17歳。血液型はA型、誕生日は8月19日。んー、好きなものはいちごと仲間」
あ、あとと付け加えるように私を指差す。
そしてからかうような視線を私に向けた。
「お前も好き」
「なっ…」
また顔が熱くなる。
面白そうにくっくと笑う櫂くんを睨むことしかできない。
からかわれている…!
「まぁもう俺ら時雨には関わってんだ。今更何を否定したってあいつらは絡んでくる。お前がどう思おうとどうしようもねぇよ、諦めろ」
突き放すような言い方だけど声はとても優しい。
もう関わってしまっている、この人に、時雨というグループに。
私は小さくわかった、と言うしかなかった。
第一校舎でただただ平凡だった自分の人生が、変わる気がした。
安心と怖さでうっすら涙目になる私を櫂くんは優しく頭をたたいた。
「あぶねーって言ってんのに俺らから逃げやがって。あとでお仕置きな」
そう言って私にデコピンをしたあと櫂くんはじろりと男の子を睨んだ。
「誰の女に手出したかわかってんだろうな」
冷たくするどい目。低い声。
それだけで怒ってるのがわかる。
昨日とはまた違うトーンに男の子たちがびくっとなる。
それでも振り絞って男の子は声を荒げた。
「そもそもお前が俺らのとこ荒らしたのが悪いんだろうが!」
「あぁ?売られた喧嘩を買ったまでだろ。礼参りなんてだっせぇことしてんじゃねぇよ」
櫂くんは動かない。ただ男の子たちを睨んでいるだけ。
それだけなのに、なんでこんなに怖いんだろう。
そう感じているのは私だけじゃなかったようで男の子たちも後退りしていた。
「待てよ」
逃げようとする男の子たちに櫂くんが近づく。
「待ち伏せまでしてひなに絡んでんだ。二度とそんな気が起きねぇようにきっちり俺が相手してやるよ」
櫂くんが絡んできた男の子たちを倒してしまって辺りは乱闘騒ぎになった。
警察沙汰になる前にと逃げるように私と櫂くんは路地のところに隠れて数分後。
謎に私は櫂くんに抱きしめられていた。
「あ、あの櫂くん…?」
「はぁーーーー、まさかほんとにお前にちょっかいかけてきだすと思わなかった。しかもお前言い返すし焦ったわ」
「ごめんなさい…」
「謝んなって。言ったろ?惚れ直したって」
そう言って櫂くんは私から離れた。
櫂くんのことを間近で見たことなかったけど、よく見ると本当にかっこいい。
茶髪で、切長で、やっぱり片耳だけしてる揺れるピアスが特徴的。
じっと見つめる私の視線に気づいたのか櫂くんは私の顔を覗き込んだ。
「なんだよ、惚れたか?」
「ち、ちがいますっ」
「まぁこれでお前は俺と付き合うしかなくなったな。俺の女宣言しちまったし」
驚いたように目を見張れば櫂くんはにやにやと笑っていた。
かっ確信犯……。
でも、と言葉を詰まらす私に櫂くんは顔をしかめた。
「そんなに俺と付き合うのが嫌なのかよ」
「だって私、櫂くんのことなにも知らないし」
「そんなんこっから知ってくだろ」
ばっさり切られてなにも言い返せない。
櫂くんはがしがしと頭をかいた。
「雨宮櫂、2-Bの17歳。血液型はA型、誕生日は8月19日。んー、好きなものはいちごと仲間」
あ、あとと付け加えるように私を指差す。
そしてからかうような視線を私に向けた。
「お前も好き」
「なっ…」
また顔が熱くなる。
面白そうにくっくと笑う櫂くんを睨むことしかできない。
からかわれている…!
「まぁもう俺ら時雨には関わってんだ。今更何を否定したってあいつらは絡んでくる。お前がどう思おうとどうしようもねぇよ、諦めろ」
突き放すような言い方だけど声はとても優しい。
もう関わってしまっている、この人に、時雨というグループに。
私は小さくわかった、と言うしかなかった。
第一校舎でただただ平凡だった自分の人生が、変わる気がした。