極上男子っ!?
なんだか、不思議な人だったなぁ。
あの後私は無事第一校舎につくことができた。
心配しつつもどことなくおもしろがっている悠亜と別れて自分の家の方向に足を進める。
…悠亜に何があったかすっごく聞かれたけど絶対言わないでおこう。
恋愛脳の悠亜のことだから絶対面白がるに決まってる。
でも悠亜、櫂くんのこと知ってたな…
そんな状況であんなことされたなんて知られたら。
さっきの出来事を思い出しただけでまた顔が赤くなる。
振り払うように頭を揺らすと誰かが近づいてくる気配がした。
「おい、水森ひなこ」
そこには5人の男子集団がいた。
制服は清宮で同じだったけど着崩し方といい顔の傷といい、なにより私に話しかけてきた男の子には見覚えがあった。
昨日第二校舎で櫂くんに絡んでた人たち…!
やばいと思って慌てて逃げようとする前に腕を強く引かれた。
そしてそのまま強く握りしめられる。
「いた…っ」
「逃げんなよ、なんかしようってわけじゃねぇんだからよ」
「はなして…っ」
何もしないといいながらも掴まれている腕の力がどんどん強くなる。
声を出そうとしても周りには誰もいない。
「余裕ぶっこいてるあいつムカつくんだよ、お前をどうにかしたらあいつも余裕なくなると思うか?」
男の子が私を見て冷たく笑った。
顔からさぁっと血の気が引く。
こわい。櫂くんと付き合ってるわけじゃないのになんでこんな目に遭わないといけないの?否定すればいいだけ?
それでも、私自身が負けちゃいけない気がした。
絞り出すような声で私は男の子を見る。
「あ、あなたたちには櫂くんは負けないと思います」
「はぁ?」
男の子がぴくりと眉を動かす。
櫂くんのことなんてまだ何も知らない。
でも、目の前のこの人たちよりはきっとずっとまともだ。
「櫂くんたちなら、こんな卑怯なことはしない…っ!」
「…っこの女」
男の子がどん、と私を突き飛ばす。
急に離された手と強い力にバランスを崩した。
やばい、倒れる…っ
ぎゅっと目を瞑っても衝撃は来ず、うっすら目を開けるとそこには見慣れた顔があった。
…揺れるピアスの音。
「かい、くん」
「かっけぇな、ひな。惚れ直すわまじで」
あの後私は無事第一校舎につくことができた。
心配しつつもどことなくおもしろがっている悠亜と別れて自分の家の方向に足を進める。
…悠亜に何があったかすっごく聞かれたけど絶対言わないでおこう。
恋愛脳の悠亜のことだから絶対面白がるに決まってる。
でも悠亜、櫂くんのこと知ってたな…
そんな状況であんなことされたなんて知られたら。
さっきの出来事を思い出しただけでまた顔が赤くなる。
振り払うように頭を揺らすと誰かが近づいてくる気配がした。
「おい、水森ひなこ」
そこには5人の男子集団がいた。
制服は清宮で同じだったけど着崩し方といい顔の傷といい、なにより私に話しかけてきた男の子には見覚えがあった。
昨日第二校舎で櫂くんに絡んでた人たち…!
やばいと思って慌てて逃げようとする前に腕を強く引かれた。
そしてそのまま強く握りしめられる。
「いた…っ」
「逃げんなよ、なんかしようってわけじゃねぇんだからよ」
「はなして…っ」
何もしないといいながらも掴まれている腕の力がどんどん強くなる。
声を出そうとしても周りには誰もいない。
「余裕ぶっこいてるあいつムカつくんだよ、お前をどうにかしたらあいつも余裕なくなると思うか?」
男の子が私を見て冷たく笑った。
顔からさぁっと血の気が引く。
こわい。櫂くんと付き合ってるわけじゃないのになんでこんな目に遭わないといけないの?否定すればいいだけ?
それでも、私自身が負けちゃいけない気がした。
絞り出すような声で私は男の子を見る。
「あ、あなたたちには櫂くんは負けないと思います」
「はぁ?」
男の子がぴくりと眉を動かす。
櫂くんのことなんてまだ何も知らない。
でも、目の前のこの人たちよりはきっとずっとまともだ。
「櫂くんたちなら、こんな卑怯なことはしない…っ!」
「…っこの女」
男の子がどん、と私を突き飛ばす。
急に離された手と強い力にバランスを崩した。
やばい、倒れる…っ
ぎゅっと目を瞑っても衝撃は来ず、うっすら目を開けるとそこには見慣れた顔があった。
…揺れるピアスの音。
「かい、くん」
「かっけぇな、ひな。惚れ直すわまじで」