【完】スノードロップ ~希望~
「柚季」

手紙を読み終えると、菜々美が私を呼んだ。

「……ここに、奏多がいる」

そう言って、菜々美はお墓の横に立つ。

よく見ると、菜々美の横にあるお墓には“一ノ瀬 家”と彫られていた。

「……奏多……」

私はどうすればいい……?

「……私は、生きててもいいの……?」

不意にそう口にしていた。

「奏多はそれを望んでた」

今まで黙ってた悠真も口を開く。

「死ぬ前、俺に“柚季を幸せにしてくれ”って」

「奏多が……?」

悠真がうなずく。

……。

奏多はそれで幸せ?

私なんかを生かして、奏多はそれで本当によかったの?

本当に……。
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