冷たい君の不器用な仮面
___……ピーポーパーポー
パトカーの音が溜まり場に響きわたる。
「__誘拐、監禁罪で逮捕します」
警官たちが暴走族一人一人に手錠をかけ、パトカーの中へと入れていく。
暴走族たちは一人残らずパトカーに乗せられ、警察署へと連行された。
……私はそんな光景を、ただただぼうっと見つめていた。
___……わたし、レイを助けることができたんだ……
改めてそう思った瞬間、どっと安心感が体を襲う。
それに加えて極度の緊張から一気に解放されたこともあり、体が上手く動かなかった。
そんな中、ふと救急車に乗せられているレイに目を向ける。
レイはぐったりとしていて、保護されてからピクリとも動かない。
体の傷はあの日よりも増えていて、きっと捕まっている間も暴力を振るわれていたのだろう。
「ほんとにごめんなさい、レイ……」
タンカーで運ばれるレイを見ながら、私は小さな声で呟いた。
すると、
__ぽんっ
私の肩に、誰かの手が置かれた。
「……?__ユウ」
「……よく頑張ったね、涼那ちゃん」
ユウが安心したような、優しい声で私を見つめた。
「この作戦が成功したのは、涼那ちゃんがいたからだよ。レイを助けてくれて、ありがとう」
ユウの温かい笑顔に、私は急に安心してヘナヘナとその場に座り込んだ。
ユウはそんな私の頭を、優しく撫でる。
__…終わったんだ……これで、レイが襲われることも無くなる。
そう思った瞬間、なんだか急に眠気に襲ってきて、私はゆっくりと目を閉じた。