冷たい君の不器用な仮面
「ねー、涼那ちゃん。教科書見せてくれない?オレまだ無いんだよね」
一限の授業が始まった瞬間、後ろから話しかけてくる瀬戸くん。
やっぱりその顔には、営業スマイルのような笑顔を浮かべていて。
……なんか苦手なんだよなあ、その笑顔
「……あ、うん」
私は苦笑いを浮かべながら、教科書を瀬戸くんに渡した。
すると瀬戸くんは首を振り、
「違うよ、涼那ちゃんがオレの隣に来るの!」
と言って、隣の空いている席をポンポン叩いた。
「え…何で?」
「だって、涼那ちゃん教科書無くなるでしょ?」
…それ以上に女子の目が怖いの
私たちが喋るたび女子の目がギラギラしてるの、気づいてよ!!
「ううん、太陽に見せてもらうから大丈夫だよ」
私は早く会話を終わらせたくて、素っ気なく返事を返した。
「太陽?」
瀬戸くんは首を傾げる。
「うん、これ」
私は隣に座っている太陽を指さした。
すると、顔をしかめてこちらに顔を向ける太陽。
「これって何だよ。扱いひでー」
「………このお方でございます」
「お前ちょうどいいって言葉知らねーの」
瀬戸くんはそんな私たちの会話を聞いいて、一瞬目を細めた。
でもすぐに笑顔に戻り、口を開く。
「仲いいんだねー!2人」
「うん、幼馴染なの」
私はねっと太陽に同意を求める。
すると太陽も私と同じように頷いた。
「そうなんだ!じゃあもう付き合ってたりするの?」
「「はっ?」」
瀬戸くんの突拍子もない発言に、私たちたつい大声を出してしまった。
その瞬間、私はバッと口を押さえる。
「そこうるさいぞー」
「すっ、すいません……」
私はペコペコと頭を下げながら、体を縮こませた。
「もう!瀬戸くんが変なこと言うから怒られちゃったじゃん!」
今度は小声で瀬戸くんに怒る。
「えー?変なことなんて言ってないよ。それで、付き合ってるの?付き合ってないの?」
それでも平然と質問を続ける瀬戸くん。
……もう…全然反省してないな
「付き合ってないよ!何でそんな事聞くの?」
瀬戸くんとはつい数十分まえに初めて会って、少し言葉を交わした程度の関係だ。
何でこんなにも私たちのことを掘り深めて来るのだろう。
瀬戸くんにとってどうでもいいことだろうに
「えー?何でって……___」
瀬戸くんはチラッと太陽を見る。
「__オレ、涼那ちゃんのこと狙っちゃおっかなーって」