冷たい君の不器用な仮面








***







「ちょっと、涼那ちゃん!話聞いてる?」





「へ?!あ、何…だっけ?」







「もー、ぼうっとし過ぎ!俺と一緒にいるんだから構ってよー」






私の横で口をとがらせながら拗ねる瀬戸くん。





そういえば、無理やり中庭に連れてこられて今瀬戸くんと昼ごはんを食べている最中なんだった。







「構ってよーって………」







子供かあんたは。





この3日間、なんかくっついてきたから割と一緒にいたけど…






__異常に懐かれてしまった……!







いや、まさかこの特徴もなく素っ気ない態度を貫き通している私にここまで執着してくるだなんて思わなくて……






もっと突き放せば良かった…と後悔中。








「じゃあもっかい言うからちゃんと聞いてね?」






「はいはい」







瀬戸くんが持っていたパンを置き、私に向き直る。






……え、何そんなに改まって






私は口に運んでいた箸をピタッと止めた。






「………太陽くんのとこ、どう思ってるの?」






「……?太陽?」






…何で瀬戸くんがそんなこと?






そういえば、最初にあった時も私と太陽の関係を聞いてきたりしてたな…




「どうって……ただの幼馴染だけど」





「ほんとに?」







「?うん。」






「…そっかー」





すると、瀬戸くんは安心したようにパンを口に運んだ。






え、なになになに。






そんな反応されると余計に気になるんだけど…







あっもしかして、太陽のこと好きな女の子に、いつも一緒にいる私がどう思ってるか聞いてって頼まれたとか?






転校してきてからたった3日で、女の子たちとあっという間に仲良くなった瀬戸くんだから、十分にありえる。






ていうか、やっぱり太陽とは距離置かなきゃかもな…






誤解される太陽がかわいそうだもん







「そういえば、太陽は好きな人いるって言ってたよ。お前には絶対言わない、って言われちゃったけど…」






「へえ…………やっぱりねぇ」




瀬戸くんが一瞬目を細めた。





「ん?やっぱりって?」




私は首をかしげる。





「あ、ううん。何でもないよ。じゃあ俺まだチャンスあるんだね?」





「チャンス?」





「涼那ちゃんを振り向かせるチャンス!」





「……まだそんなこと言ってたの…」




「まだって絶対諦めないけど?」





「っと、変わった趣味してますね」





私はそういうと弁当箱を片付け、スタスタと中庭から出る。





「えっ、ちょっと待ってよ涼那ちゃーん!」







そして私の後を慌てて追ってくる瀬戸くん。





……ほんと、こんな私のどこがいいんだか…





私は大きくため息をついた。





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