冷たい君の不器用な仮面
「__っ」
ドンッ
その瞬間、レイは私の体を突き放した。
その衝撃で体がよろめき、私はまた床に尻もちを付く。
「__ぁ……悪ぃ」
レイはそんな私を見てハッとし、うつむいた。
それでもレイは、私との間に距離を置いている。
……………や、やっちゃった…
レイ、女の人すごく苦手だったんだ…
「全然っ、ていうかごめん……嬉しくてつい__…………あ」
私は言った瞬間に自分のボロに気が付き、また頭を抱えた。
嬉しくてなんて言ったら、私がレイたちを突き放したことに矛盾が生まれてしまうじゃない
あんなに頑張って嘘ついたのに、自分から自爆するなんて…私バカだ
「__……嬉しくて?」
レイもそんな私の言葉に気づき、うつむいていた顔を上げる。
__なんで私ってこう、ツルリと口が滑るんだろう……
つい衝動的に言葉に出しちゃうクセ、直さなきゃ…
なんて言っても、言ってしまったものは取り消せない。
もうあとの祭りだ。
「__お前……今のが本心か」
しばらくの沈黙が流れた後、レイの落ち着いた声が、地下部屋に反響した。
それが私の耳に静かに届く。
__そうだよ…本心だよ。レイがここに来てくれて、すごく…すごく嬉しかった
あんな突き放し方したのに、助けてくれるなんて思ってもみなかったから。
やっぱりレイたちともっと一緒にいたいなって、改めて思っちゃったよ。
__……でも、
だから?
だからなんだっていうの?
私はレイたちのこと、嫌いなんかじゃない。
むしろ、もっと一緒にいたいって本当は思ってる。
これが、紛れもない私の本音。
……でも、それが何?
それを今本人に言って何が変わるの?言えば、私はレイたちに一切迷惑をかけなくなるの?
違う。
何も、変わらない。
言ったって結局、いいことなんてないんだ。
私が呼び寄せた危険でレイが傷ついたという事実は消えないし、それを無かったことにしてまで、私は温かさを貰いたくない。
___……だから、私はレイたちから離れたんだよ……?
なのに、なのに………
__私はレイをそっと見上げた。
………そんな目で見ないでよ…
決心が、揺らいでしまう。