冷たい君の不器用な仮面




「…あぁ…ごめんね太陽。また勝手に帰っちゃって」





猫背で頭を下げる私。





「っんとだよ。もう2回目だぞ?カフェの時といい…お前いっつも行動が急すぎんだよ!」






「………ごめんなさい」




しゅんとしながら俯いた。





…うん、私の悪い癖だよ。





こうやって後先のこと考えず行動して、いつも後悔する。





その度に太陽にも心配かけて、本当に申し訳ない…





「……まー、なんかあったんだろ。許してやる」





太陽は凹む私を見かねて、ポンポンと頭を叩いた。





そんな太陽の優しさにジーンときながら、2人並んで歩き出す。





「…で?あの噂、本当なのかよ」





「…噂?」




私は弱々しい声で、太陽の言葉を聞き返す。





噂…ってまあ大体予想は着くんだけどさ……





聞きたいような聞きたくないような心境に、頭を抱えた。





「昨日の放課後、涼那と成瀬がイケメン?の車に乗って一緒に帰ってたって噂。」





「…ヴッ」





間違ってはないが…!





なんかその噂、誤解が生じそうな言い方だな!





いや、いきなり登校してきた学校内の有名人と目立つ行動した私が悪いんだけどさ…





「…本当なのかよ?」




太陽が歩きながら、俯く私の顔を覗きこむ。




「………あ、はは」





…………。





うん。ともなんとも言えないんだけど、どうしたらいいの!!




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