冷たい君の不器用な仮面
レイは私の言葉を聞いても、何も言わなかった。
しばらく経って、私はそっと顔を上げる。
「……!?」
ーーー…レイの目から一筋、涙がこぼれていた。
私は動揺し、焦りながら口を開く。
「ごめん!!そうだよね、許せないよね。私があの時、無理やりレイに電話に出させなかったらーーー……」
「……ち…げェ…よ……」
レイは顔を手で覆いながら、口を開く。
レイの体の震えは、いつのまにかおさまっていた。
「…お前…ほんと馬鹿な奴だな……」
レイは腕を顔をから離すと、フッと笑みをこぼし、涙でぐちゃぐちゃになった私の顔をじっと見つめた。
私は初めて見たレイの笑顔を見て、また目から涙がこぼれ落ちた。