冷たい君の不器用な仮面
「……チッ!!」
暴走族たちは警察の姿を捉えた瞬間、一斉に路地裏の近くに停めてあった車に走り出す。
私とユウの手錠を押さえていた男たちも、慌てて車に乗り込んだ。
「きゃっ」
私は男にドンッと背中を押され、手もつけないまま前に倒れこんだ。
「大丈夫ですか!手錠を外しますね」
そんな私に1人の警官が駆け寄り、ガチャガチャと手錠を外す。
私はそんな警察官を見て、急に緊張がとけた。
強張っていた体から一気に力が抜け、力が入らない。
手錠が手首から離れた途端、私はへなへなと座り込んでしまった。
「大丈夫ですか?!立てますか?」
警官は放心状態の私に戸惑ったのか、必死に声をかける。
でもそんな声は、今の私の耳には入らなかった。
……良かっ……た……
それしか、考えられなかった。
ただただ心の底から安心して、頭がうまく働かない。
私はそんな回らない頭を必死に動かして、ユウの姿を探す。
ユウがいた場所に、パッと目を向けた。
…………いた!良かった…無事だ……
ユウは私と同じように警官に保護され、肩を貸してもらいながら立ち上がっていた。
ユウが無事だった事にまた安心して、私はふうっと大きく息をつく。
少し落ち着いた私は、座り込んだまま改めてあたりを見渡した。
…警官たちが暴走族の車に押し入っているのが、目に入る。
何人かの暴走族たちは、もうすでに手首に手錠をかけられていた。
その中には、私とユウを捕まえていた男2人もいた。
それについても少し安心して、警察を呼んでくれたマスターに改めて感謝した。
私はしばらく警官と暴走族が取っ組みあっている光景を、ぼうっと見つめていた。
そこでふと、私はある事に気がつく。
ーーー………レイが…いない……?