医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
うちの小児病棟には、人の良さそうなおじさん、もしくはおじいちゃん先生しかいなかった。
だから、そんな中に若くてイケメンな先生が転がり込んでくれば、女子なら多少なりともそわそわするのは仕方ない。
それも平均レベルって感じのイケメンじゃない。
見事に整った顔面と、メタルフレームの眼鏡が醸し出す知的な雰囲気。
すらっとした白衣の似合う長身だし、これはうちの病院内でも話題になるはず……。
そんなことを考えている時、不意に天笠先生の視線がこちらを向いて、思いっきり目が合ってしまった。
驚いて露骨に目を逸らしてしまう。
そのあからさまな態度に後悔したものの、見ていたことが絶対にバレている気まず状況に、そろりと席を立ち上がった。
「ふぅ……」
なんか、急にやりずらいな……。
奥で一人この後の処置の用意を始めながら、思わずよくわからないため息が出てしまった。
だめだめ。気の乱れはミスの元。
余計なことは気にしないで、いつも通りに仕事しなくちゃ。
ただでさえミスが多い方なのに、これ以上なんかやらかしたらクビになっちゃう。
よし!と気持ちを引き締め、バットに出した器具をチェックし始めると、いきなり背後から背中をツンツンと指で突かれ、「きゃっ」と肩を震わせてしまった。