医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


こっちの病院に勤務になってから越してきた天笠先生の住まいは、病院最寄駅近くに少し前にできたデザイナーズマンションだった。

十階ほどの高さのある建物はコンクリート打ちっぱなしの物件で、素敵なマンションができたと完成当初はたびたび話題になった。

近代的でオシャレな造りは道行く人の目を引く。

私も通りがかるたびに憧れの眼差しを向けていたものだから、そこに足を踏み入れることができるのは夢のようだ。

先生の住まいは、十階建てマンションの八階、一番奥の角部屋だった。

カチカチに緊張しながら通された室内もコンクリートむき出しで天井は高く、スタイリッシュな印象を受ける。

奥のリビングダイニングは落ち着いたモノトーンのインテリアで余計なものはなく、スッキリとしたいかにも〝大人の男性の部屋〟という感じだった。

リビング奥の天井まである大きなガラス戸の向こうはテラスになっていて、八階なのに木があったり庭のようになっている。

予想通り、やっぱり凄い豪華でオシャレなマンションだと感心していると、天笠先生は早速キッチンへと一人立っていた。

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