私の失恋の行き着く先は…No.5
気がつけば、キャアキャアと盛り上がる彼女たちは食べ終えたのか、いなくなっていた。
「冴子先輩?食べないんですか?」
どうやら一瞬箸が止まっていたらしい。
「うん。範子ちゃん、これ食べる?」
曖昧に笑って誤魔化しながら、デザートのプリンを後輩の範子ちゃんに手渡した。
「冴子先輩、ちゃんと食べてます?最近痩せましたよね?」
心配そうに私の顔を覗いてくる。
「今ダイエット中でね。今年三十路だし、頑張らなくちゃ!」
明るく笑うと、範子ちゃんは納得した表情を見せた。
それ以上食が進まず、結局残してしまったけれど、三十路近い女のダイエットということで、疑われるようなことはなかった。