セカンド・ファミリー(新バージョン)
泣いている私の隣で
和也さんは、そのお墓に手を合わせた。
そして私の方を見ると
「驚いただろ?母さんと父さんの
本当の子供の名前は、晴香って言うらしい。
春花と同じ名前だよな。
母さんは、それだけではないと思うけど
名前を聞いて運命を感じたんじゃないのか?」
「お前が居なくなったら俺ら家族が悲しむ。
俺が何か酷い事をしたのなら謝る。
だから、もう何処にもいかないでくれ……頼む」
謝るように言ってきた。
違う……悪いのは、和也さんではない。
自分の気持ちを言わないくせに1人で
勝手に傷ついていた私だ。
「ち、違います。私が悪いんです。
和也さんには、彼女が居るのにも関わらず
勝手に盛り上がって……傷ついて
それで、あんな八つ当たりを……」
涙を流しながら必死に気持ちを告げた。
すると和也さんは、
はぁっ?と言う表情になっていた。
「彼女……?俺……彼女居ないけど」
「えっ?でも商店街で見たんです。
清楚で綺麗な女性と仲良く買い物をしているところ」
私がそう言うとかなり驚いた表情をしてきた。
「それって亜子さんのことか?
だったら違う。
あの人は……高校時代に少し荒れ気味だった俺を
世話してくれた人の奥さんだから」