ダメ。俺のそばにいて。
「星玲奈ちゃんは普段メイクとかするの〜?」
「いや、全然しないかな。」
「えっ、もったいなすび!」
「え?ナス?」
目を閉じている間に、顔に滑らかに塗られていく何か。
その間に藤田ちゃんとの会話を楽しんでいるけど、語尾が独特すぎて突っ込まずにいられないんですが!
「だって、星玲奈ちゃん可愛いっしょ?メイクしたら余計にその可愛さ引き出せるパイナポーだよ?」
「いや、でもなんか…、メイク上手くないし、なんか…、私がしてもね感があって…。」
「ふうん…、まあ、あんな可愛すぎる最強の幼なじみがいたら諦めたくもなるよね、わかりみが深すぎてマントル突入。」
茉優…ね、そうなんだよね。
私がいくらメイクをしても、すっぴんの茉優にすら対抗できない。
そんな事実にはとっくの昔に気づいていて、やるだけ虚しくなったんだ。