ダメ。俺のそばにいて。







引き寄せられるように振り向いた私と、その人の視線が真っ直ぐにぶつかる。




だけどその瞬間、私の目は驚きで見開かれることになった。




「久遠、真尋…(くとお まひろ)。」



溢れるように呟いた名前に、その人はグレーがかかった綺麗な瞳を若干細めた。



「…あんた、誰?」



誰って…、いや実際に喋ったことないから誰で合っているんだけど、そんなストレートに聞くもの?



当の本人は悪びれる様子もなく、真っ直ぐと私を見ているけど。




「有村 星玲奈…。2-5の。」



「ふうん。」




おっと、誰?と聞かれたから名乗ったのにさして興味ないって顔されたんですが。



何だろうこの理不尽感!




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