ダメ。俺のそばにいて。
「聞いてるけど、だって今、星玲奈が可愛いって思ったからそう言ってるだけなんだけど。」
照れる様子もなくサラッと言われたセリフにこっちが熱くなる。
そ、そんなど直球に言う!?
心臓が!心臓がもちませんから!
「そ、そういうこと言うと色んな子に勘違いされるよ…?」
「勘違い?」
「いや、まあ…、なんでもない…。」
私が口ごもると不思議そうに目を細めるけど、さすがに説明はできなかった。
いや、だって私が勘違いしそうな一歩手前だから!
絶対違うのはわかってる!わかってるけど!
1人で心の中で騒いでるのに、久遠くんは「でも」と続ける。
「俺、こんなこと別に誰にでも言うわけじゃないんだけど。」
「…え、」
「可愛いって思ったの、星玲奈だけだよ。」
そういって、久遠くんが穏やかに微笑む。
ああ…、もう絶対。
久遠くんって変な人。