この恋。危険です。

患者さんが運ばれた後、戻ってきた時のための部屋準備をする。

患者さんを危険な目に会わせた。
私が、もっと早く気づいていれば。
もっと、頻回に確認しておけばよかった。

'たら'、'れば'を言っても仕方ないのはわかるけれど、そう思わずにはいられなかった。

自分の未熟さを、甘さを突きつけられたような気がした。

ふと、扉に影がさす。
見ると、竹中先生だった。
「手術。終わったよ。状態がよくないから、1日だけICUで管理することになった。」

ICU………
私のせいだ。私の……。

次々と涙が溢れてくる。
泣いたってどうしようもないのに。

「君のせいじゃない。たまたま、君が対応しただけだ。」
「でもっっ。」
「気づいてからの対応は迅速だった。」

泣き続ける私を彼がぎゅっと抱き締める。
「大丈夫。絶対助かる。」
'絶対助かる。'
医療現場では、決して使わない言葉。
'絶対'なんて保証はどこにもないから。

でも。
彼の言葉は信じられる気がした。

竹中先生は、私が落ち着くまで、ずっと抱き締めてくれていた……
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