暗闇の中に放たれた光~完全版~
だから、友達に金を借りるなんてとんでもない。

それでも、それでもやはり妹を思った。

そして気が付くと電話をしていた。


 友達は二枚を貸してくれなかった。

想定内である。

仕方がない。

どうしようかと考えていた時、友達から金の代わりにある言葉が送られてきた。



「万引き」


俺は息をのんだ。

心臓がドクドクとなっていた。

万引きという言葉をきき、抵抗した。

ついに俺が犯罪へ手を染めに行くと思うと、戸惑った。

そんなことは避けたい。

やりたくない。

しかし友達は言った。

「お前の気持ちはそんなものものか。」と。
< 6 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop