魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます

臨海学校、到着

「着いた・・・・・・っ」

雲一つない青い空

キラキラと水面の輝く透明度の高い海

ついに来ました!

「臨海学校ーーーーーーっ!!!」

バスのステップをぴょんっと軽やかに降りて着地

荷物を受け取って、あたりを見回した

真っ白な砂浜がここから良く見える

そして、その近くにある大きな建物───そう、お世話になる「兎崎浜─トザキハマ─」という宿泊施設だ

そして、ここを設立し運営しているのが────

「ようこそ、優凛学園のみなさん!」

ロビーでにこやかに迎えてくれた女性───あたしたちの先輩にあたる、川口由香里(Kawaguthi Yukari)さん

幻影を使う、魔法使いだ

そう、つまり

肝試しの主催者である

「おー、お久しぶりー。由香里さん!」

「あら、この声は・・・・・・弥生ちゃんね?久しぶり!」

ロビーで、ほかの生徒がいる目の前で、挨拶を交わしだす二人

えーと、確か前にもここに来たことあるんだよね?弥生ちゃん

その時に知り合ったのかな?

「全然変わらないわねぇ、弥生ちゃん」

「いやぁ、由香里さんも相変わらず綺麗ですねー」

「ふふ、お世辞もほどほどにしなさいよ?」

「えー、お世辞じゃないのにー」

うん、それ、よくわかるよ弥生ちゃん

お世辞抜きで、由香里さんは超綺麗

清楚な雰囲気のある黒髪ストレートは、肩の下で並べられ

見事に女性のスーツを着こなし、キャリアウーマン全開

そして、赤い縁のメガネは、その瞳の奥に宿る光をさらに強調させ

凛とした顔立ちに、誰もが見とれるだろう
< 95 / 196 >

この作品をシェア

pagetop