俺の嫁になれ~一途な御曹司の強すぎる独占愛~
かく言う私は桜井優衣、二十五歳、独身。
彼と同じ営業部で事務を担当している。
身長は百五十五センチと低め。
顔はクリンとした目がチャームポイント。
髪はハニーブラウンに染めていて、セミロングのふわっとしたスタイルにしている。
黒崎君とは高校、大学と一緒で、彼を追いかけて黒崎不動産に就職した。
黒崎不動産は日本でも五指に入る大企業で、オフィスビル、ショッピングモール等の商業施設、高級リゾート施設など幅広い不動産開発事業を展開している。
国内外に三十近い支店を持ち、総従業員数は一万人を超え、私のいる40階建ての丸ノ内本社ビルには、千二百人の社員が勤務している。
「今日はいいお天気だね。桜も開花したし、夜桜見物なんてどうかな?」
三月下旬。桜が咲いて、春が巡って来た。
黒崎君の腕を掴んでデートに誘えば、彼は正面を見据えたまま小声で返す。
「午後から天気急変して雪が降るらしい」
「……嘘」
せっかく黒崎君を誘ってお花見しようかなって考えていたのに。
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