☆君との約束




「私が陽向を傷つけたことを悔やんで、自分を責めるように、陽向も私を壊してしまったと思い込んで、自分を責めているんでしょう?陽向からすれば、私の思いは間違いで、でも、私からしても、陽向の思いは間違いなんだよ。お互い間違っているんだったら、もう、気にしない方がいいでしょう?」


そんなことを言って笑っているけど、君はきっと、これからも、その思いを胸に抱え続ける。


気にしていないと口で言って笑いながら、心にはその憂いを抱き続ける。


強くて、優しくて、どこか脆い君だから。


それを俺は、知っているから。


だから。


「陽向」


手が伸びる。


優しく頬に触れられて、自分がどんな顔をしていたのかを思い知る。


「……愛してよ。いっぱい、いっぱい。私も、死ぬまで愛すから。だから、ね?自分を責めないでよ。離さなくていいよ。私を傷つけてしまうかもしれないからって、自分を傷つけてまで、私を恐怖で支配しようとしないで大丈夫だよ。絶対に、離れてなんていかないから」



そのまま、引き寄せられるように抱きしめられる。


彼女の胸元に顔を埋めて、腰に手を回して、甘えるように擦り寄る。


莉華は力いっぱい抱き締めてくれて、


「完璧な夫婦じゃなくていいじゃない。……ごめんね、不安だったね。ずっと、一人にして……ごめん。陽向、一人は嫌いなのにね」



莉華はいつだって、お見通し。


双子だからかな。


ひとりが怖い。


寂しいんだ。


必要ないと、見てくれないと突っぱねておきながら、ずっと、ずっと、昔から。


自分は寂しくて、ひとりが嫌で。



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