☆君との約束



莉華は純粋な目で、陽希を見上げて。



「猫。可愛い、可愛い、私の大切な猫ちゃん」



撫でるそぶりで自身の膝の上を見る莉華を見て、戸惑う陽希に助けを出すように、



「どんな猫ちゃん?」



看護師さんが助けてくれて。



「真っ黒な目のね、かわいい猫」



「真っ黒?毛並みは?」



「真っ黒だよ」



幼い少女のようにそういう彼女に、陽希の胸は痛み続ける。



疲れきって、空想の世界へと逃げ込んだ人。


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