☆君との約束
「君、似てるけど違うや」
莉華はそう言って、残念そうに笑う。
その笑顔は虚ろで、莉華の本当の笑顔からは遠くて。
“似てるけど”
その言葉に、陽希は悩む。
(この場に陽向をつれてきたら……こいつはもとに戻るのか?)
陽希は今、ここに一人。
けど、本当は控え室に二人がいる。
一緒に来た妻と、弟が。
「猫ちゃん、私たちが探しておきますね。お名前は何て言うの?」
「名前……何だったかしら?」
頭を押さえて、莉華は首をかしげて。
「太陽みたいに暖かい名前」
と、言った。