生意気オオカミの虜
…1 始まりは君のキスから

あの日私は泣いていた…

子供の頃嫌な思いをして泣いていた……

その時、私を慰めようとした幼馴染み弟の凛(リン)が私の涙流れる頬にキスをした。

ただ、凛が何かを言っていたが何と言ったのか覚えていない。


でも、それが始まりだった。


あれから数年、私は大学生に、凛は高校3年生になった。

今私は大学の近くにあるアパートで一人暮らししをしている。

どうしても憧れた一人暮らしをしたくて親と相談し家を出ていた。

もちろん、バイトもして毎日マイペースに過ごして穏やかな気分でいたある日から、私の生活は一変した。

そう、一変した元凶は……



「 キャアッ!! え、ちょ、凛!?」

「 …ん~?」



コイツ、いつの間にいたの!

しかもなんで一緒の布団で寝てんのよっ



「 ちょっとー!!」



ぬくぬくと寝ている凛をベッド脇から足蹴りして起こす。

その後、私の説教をくどい程浴びせた。



「 悪かったって~ お前母さんみたいだぞ 」



母さんみたい?

わかってないな、凛……

私は女で、あんたは一応男だし、全てはあんたが隣で寝てたりするからよ!!


沸々と凛への怒りが込み上げる。



「 あ、飯は?」

「 あ…あんたって奴は~!」



凛は時々、私のアパートに勝手に来ていた。


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