生意気オオカミの虜

美世と千草と話す中で耳に入ってきた会話。



“彼女いるのかなぁ? 泉沢君”

“泉沢君って誰にも優しいよね”

“彼女いないといいな”



泉沢君、それは私のよく知る人物。

頼の事だ。



まったく…

モテモテで何よりだよ、頼の奴。

けど何の用だろ?

会いたいとか言うなんて、やっぱり凛の事?


聞かれても困るけど。



「 ねぇちょっと羽奈、来たよ 」


ん?


机から顔を上げればざわつきの中で頼が私の方へと向かってきていた。

それも優しい笑みを見せながら。



仮面だな、あの顔は。



「 羽奈、いい?」

「 いいよ 」



って言うか、バイト終わったら会うんじゃなかったの?



頼と私が二人並び行くのを痛い視線を受けながら歩く。


千草と美世を見るとニヤリとしながら手を振ってくる。




「 頼、あんた注目されてるよ、女の視線がチクチク痛いんだけど 」

「 羽奈、お前自分がいい女ってわかってないだろ 」



え……

それ、初耳ですが?



「 頼、なんかあった?もしかして凛?」

「 凛? あいつはいつも…… なぁ羽奈、お前さ 」



頼は私をただ見て、静かに口開いた。



「 凛と… 寝たのか?」

「 ……は…… はあっ!?」



何、今の問は何なの!!



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