太陽に照らされて〜キミと掴んだ光〜
窓際の席に、向き合って座った。

「拓海くん。県大会優勝と、妹の誕生、おめでとうございます」

美緒が改まって言う。

何だかそれが面白くて、笑ってしまいそうになる。

「ちょっと、あたしが祝ってあげてんのに、何で笑うのさ」

「ああ…いや、なんか照れるっていうかさ」

適当に誤魔化す。

「ふぅーん」

彼女が疑いの目をする。




そこへ、注文していたクリームソーダ(美緒)と、アイスコーヒー(俺)が運ばれてきた。

ナイスタイミング!

「冷たくて美味しーい!」

彼女は早速、ソフトクリームを頬張る。

すっかり、さっきの事は忘れてくれたようだ。

俺はコーヒーを一口飲んでから、訊いた。

「そういや、お義兄さんの具合はどうなの?」

彼女は手を止めて、笑顔を作ってきた。

「うん、順調だよ。手術もうまくいって、今は車椅子で外出も出来るよ」

「良かったな」

心から、思った。



コーヒーの香ばしい薫りが漂う店内は、1日の終わりの気配がしている。
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