副社長と恋のような恋を
「せめてラウンジまで送らせて」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
普段の自分ならあり得ない対応だ。こんなの速攻で断る。自分がほろ酔いであること、今の私は作家であること。その作家である自分を受け入れてくれた人。離れ難いと思っているのかもしれない。
お会計を済ませ、バーを出た。彼はコートやバッグといった荷物を持っていない。仕立てのいいスーツを着ている。それで外に出たら寒いだろうに。
エレベータが来ると、ドアを押さえ、先に乗るように促された。私が乗ると彼も乗った。そして、ジャケットの胸ポケットからカードキーを出した。ボタンが並ぶ中に、カードを入れる所がある。彼はそこにカードを差し込む。
そのカードはエグゼクティブフロアに泊まっているお客以外は持つことはできない。カードを差し込むことでエグゼクティブフロアである最上階のボタンを押すことができる。
そして彼は最上階のボタンを押した。
「待って、なんで最上階? 私、もう帰るんだけど」
「最上階、展望エリアがあるの、知ってる?」
「いいえ」
「誕生日プレゼント第二弾」
彼は閉じるのボタンを押した。エレベータはすぐに最上階に着いた。さっきと同じようにドアを押さえ、私が先に降りるのを待った。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
普段の自分ならあり得ない対応だ。こんなの速攻で断る。自分がほろ酔いであること、今の私は作家であること。その作家である自分を受け入れてくれた人。離れ難いと思っているのかもしれない。
お会計を済ませ、バーを出た。彼はコートやバッグといった荷物を持っていない。仕立てのいいスーツを着ている。それで外に出たら寒いだろうに。
エレベータが来ると、ドアを押さえ、先に乗るように促された。私が乗ると彼も乗った。そして、ジャケットの胸ポケットからカードキーを出した。ボタンが並ぶ中に、カードを入れる所がある。彼はそこにカードを差し込む。
そのカードはエグゼクティブフロアに泊まっているお客以外は持つことはできない。カードを差し込むことでエグゼクティブフロアである最上階のボタンを押すことができる。
そして彼は最上階のボタンを押した。
「待って、なんで最上階? 私、もう帰るんだけど」
「最上階、展望エリアがあるの、知ってる?」
「いいえ」
「誕生日プレゼント第二弾」
彼は閉じるのボタンを押した。エレベータはすぐに最上階に着いた。さっきと同じようにドアを押さえ、私が先に降りるのを待った。