副社長と恋のような恋を
 店長がサンドイッチを目の前に置いた。

 アボカドとカクテルシュリンプのサンドイッチも玉子とベーコンのサンドイッチもとても美味しそうだった。お互いのお皿にのっているサンドイッチを交換する。

「美味しそう、いただきます」

 村田先輩はそう言って、玉子のサンドイッチを頬張った。

「うーん、美味しい。酒井ちゃんも食べなよ」

「はい、いただきます」

 アボカドのサンドイッチを頬張るとプリっとしたエビの食感とアボカドの柔らかい食感が口の中で広がる。ボリュームがありそうな見た目に反して、味はとてもあっさりしていた。

「酒井ちゃんさ、自分は副社長とは釣り合わないとか、いつかは別れる関係だとかって考えてたりする?」

「深刻には考えていませんけど、釣り合わないっていうのはありますね」

 なんせ副社長のお母さんに直接言われているし。

「そうか。まあ、考えないってのは無理だよね。でもさ、好きなら好きって伝えないと副社長がかわいそうだよ」

「それは、そうですよね」

「なんか煮え切らないかんじだね。ほかに引っかかることでもあるの?」

「自分でもよくわからないんです。今の気持ちを認めなられないっていうか」

 村田先輩はそっかと言って、それ以上はなにも聞いてこなかった。
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