隣の席の魔法使い。





この気持ちは受け取りさえしてもらえなかったもの。


そう思うと胸がギュッと締め付けられるような苦しく、辛い感覚に襲われる。



だけど岡崎くんだけではく、穂乃果ちゃんでさえも私に〝大丈夫〟と言った。


その理由は一体何?



「本当にごめんね。青葉くんの気持ちも事情も私何も知らなくて」



気がつけば涙と一緒に言葉が溢れ出ていた。


岡崎くんはきっと何か事情を知っている。

穂乃果ちゃんも魔法で何かを把握しているように見えた。



私だけ知らなくて青葉くんをあんな顔にさせてしまった。


好きな人だと言う以前に初めてできた友達だったのに。



「友達なのに胸が苦しい。腕を掴まれただけで青葉くんのことを意識してしまう」



ボロボロボロボロ大粒の涙が溢れて溢れて止まらない。


そしてその涙と同じように私からも言葉が止まらなかった。



「ごめん、私、青葉くんの友達失格だ」



私は涙でぐちゃぐちゃの顔でも青葉くんに笑って見せた。



もう友達には戻れない。








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