隣の席の魔法使い。





「なんて顔してんだよ。そばにいてくれんだろ?それだけでもう充分すぎるくらいだ」



青葉くんはそう言って私の背中に手を回した。



「……っ!」



私の目の前いっぱいに広がるのは青葉くんの広い胸。

そして鼻いっぱいに青葉くんの優しい香りが広がる。


青葉くんに抱きしめられて全部、私の世界の全てが青葉くんに支配された。


なんて心地の良い世界なのだろう。


初めて誰かにこんなにも優しく抱きしめられた気がする。

青葉くんはいつも私に初めてをくれる。



「……そばにいるっ。ずっといるよっ。」



できる限りそばにいよう。

最期の時まで一緒にあり続けよう。


そして短い時間だけど私が貰ったたくさんの幸せな想いを青葉くんにもあげるんだ。


私は青葉くんと同じように青葉くんの背中に手を回してギューッときつく抱き締めた。






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