隣の席の魔法使い。




*****


〜3年後〜



「おーい!拓真ー!」

「俊哉?どした?」


大学内を歩いていると向こうの方から俊哉が大きな声で声をかけてきた。

騒がしいやつだな。


「これ!1年の子にお願いされてさ!どうする?」


ズイっと俊哉に渡された手紙にいつもと同じように嫌そうに表情を歪める。

するとそんな俺の様子を見て俊哉は「やっぱいらないよねー」とおかしそうに笑ってカバンにそれをしまった。


西島が死んでもうすぐ3年。

俺たちは高校を卒業して大学に進学していた。


俺と俊哉は学部は違うが同じ大学で、飯塚は大学は違うがうちの大学のすぐ側にある大学だ。

距離は少し離れたがそれでも今まで通りの関係が続いている。


「医学部の拓真に経済学部の俺。2年の男子の人気はほぼ俺たち2人で2分してるよね」

「どうでもいいわ」

「ま、そうだろうね」


拓真の言葉にさして興味がない反応をすれば拓真は当然だと言わんばかりにおかしそうに笑う。

わかっているくせになんで言うんだよ。





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