隣の席の魔法使い。










「うるせぇ。俺のせいじゃねぇーよ」






私たちの話を聞いて相変わらず不機嫌そうにこちらを青葉くんが見つめる。







青葉くんはあの日以来文字通り、できる範囲で常に私と共に行動し私の魔法の邪魔をしてくる。




正直、誰かを助けたり、また頼られたりする機会が減ってしまったけど、特定の友達がいなかった私にとって成り行きによってだが、特定の友達のように青葉くんや岡崎くんと日々を過ごせることは嬉しくもあり、楽しい、今までに体験したことのない、生活だった。






大切な友達がいるってこういう感覚なんだな。








「……はぁ」





「?どーしたの?岡崎くん?」







突然ため息をついた岡崎くんが気になり、首を傾げる。







「いや、明日、待ちに待ったドラマがあるんだけど体に違和感があるんだよねぇ」





「え?違和感?」





「そう。今はピンピンしてるけど多分明日の朝には風邪引いてるだろうなぁっていう違和感。俺、風邪結構酷いからドラマ観れないんだよ、絶対。そんな元気明日にはない」





「……へぇ」







いつもの笑顔が少しだけ悲しそうな笑顔に変わる。




本当に楽しみにしていたんだね。













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