隣の席の魔法使い。
遊園地デート。






穂乃果ちゃんがこちらへ転校してきてもうすぐ2週間。

今日の放課後は病院へ穂乃果ちゃんと一緒に定期検診に来ていた。



「ねぇ、優香ちゃん、やる気ある訳?」


「へ?」



病院の待合室で穂乃果ちゃんが物凄い形相でこちらを睨みつけてきたので驚いて変な声を出す。


だけどその〝やる気〟については心当たりがあるので驚いた数秒後には冷や汗を流していた。



あ、青葉くんのことだよね……。



あれから今日まで実は私が穂乃果ちゃんに協力してあげられた場面が数えられる程度にしなかったのだ。



「で、でも穂乃果ちゃん私の助けなくても青葉くんとたくさん喋れてるよ?」


「それ以上に喋っていて、気にかけられていて、二人っきりになることが多い優香ちゃんは何なの?」


「……うっ」



一応言い訳をしてみたものの、穂乃果ちゃんの心にはもちろん響くはずもなく。


何なら倍にして返された為、私は何も言えなくなってしまう。







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