溺愛とはなんでしょう?
令side
3年ぶりにみた写真越しでも画面越しでもない未来の姿は、あの頃と変わらず俺の胸をギュッと締め付ける。
はあ……。
どうしてあんなに可愛いんだ……
お願いだから俺を好きにさせないでくれ。
そんな願いとは裏腹に惹かれてしまう心を閉ざすようにステージが終わると花籠を置いて会場出口へ急ぐ。
もちろん、未来に会うわけがない……
俺にはそんな資格がないんだ。
そう思いながら会場を後にしようとすると、急に後ろから小さな手が弱々しく俺の腕を掴む。
「あ、あの!!花籠の方ですかっ!?」
え……未来?
見なくても分かる未来の声に、少し動揺したあとバレないように帽子を深く被り下を向く。
「……違います。人違いかと……」