絶対に守るから。
お嬢さんと一緒に仕事をしていたから分かるんだ。もし犯人が王族などの上の地位にいる者であるとするならば、証言した者がいると架空の人物を作り上げる事も出来てしまう。

「彼の見張りは私が引き受ける。下がって」

「ミオラス・・・、大丈夫だよね・・・?」

お嬢さんの凍り付くような鋭く冷たい視線に国王に使われた兵士たちは逃げ出した。きっと魔女というお嬢さんの種族が兵士たちにはあなたたちの首などいつでも取れるという幻聴を届けたのだろう。けれど、現実は全く変わらない。お嬢さんの監視下に入っただけでハウラムの疑いが晴れたわけではない。
カーレイジの問いかけに誰も、何も答えられなかった。今回の事で分かったのは狙われているのは俺たち全員である可能性が高くなったという事だけ。標的が絞られただけなんだ。
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