絶対に守るから。

お嬢さんの笑顔があれば安心は出来ないとしても、何とかなるかもしれないと希望を持つ者は増えるだろう。でも、お嬢さんはどうだ。笑顔を見て勝手に増えた希望に答える代わりにお嬢さんには責任と危険が同時に押し寄せてくる。それがもし重荷になりいつもの調子が出なかったとしたら。命の危険が増えると同時に涙を流す回数も時間も増えかねない。

「面倒をかけてすまない」

「謝る人が違うでしょう？」

ハウラムがお嬢さんに頭を下げる意味をお嬢さんは気付いているのだろうか。どうして頭を下げられているのか、どうして真剣な声と表情をしているのか。すまないと謝った裏の言葉に犯人と疑われた事以外の何かがあると知っているのか。
お嬢さん以外、彼が謝らなければいけない人なんていないだろう。だってお嬢さんは彼のせいで危険な事をしようとしているのだから。