絶対に守るから。
ただ、一つ言える事があるのなら彼女は自分のために動こうとしている訳ではないという事だろう。自分のために危険な事をしようとしているのなら少し考え直せと言えるさ。けれど、彼女の場合は全て他人のため。他人の笑顔や安心感のためだけに危険を犯そうとする。

「お嬢ちゃん。その自信は一体どこから来るんだ?」

「さぁ?」

呆れているはずなのに楽しそうに笑いながら問い掛けるゾーラ医師の神経を疑ってしまった。お嬢さんの事が心配じゃないのか。止めても無駄だというのは俺だって分かっている。でも、それでも心配にはなるだろう。分かっていても、止めたくなるだろう。せめて、自分のために動いてくれと頼みたくはならないのか。
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