絶対に守るから。
五章・笑顔の代償

何であなたが

リオディナさんの死から半年、ミオラスが行方不明になってから3ヶ月。城の召使いたちを笑顔にするためにヘゥインが下した決断は、子供の俺には理解しがたいものだった。
城で待っていれば良いのに、犯人の目星がついたのなら後は兵士に任せれば良いのに。ヘゥインがわざわざ捕まえに行く事もないはずなのに何で城から出て犯人に会いに行こうとしているんだろう。

「ねぇ、ヘゥイン。どうしてヘゥインも行かなくちゃ行けなかったの?」

「城の人たちに何されるか分からないから。好きに手を出されちゃ困るのよ」

確かに城の兵士ならやりかねない。理由もろくに聞かず、犯人だからというだけで強制的に連行しそうだ。でも、兵士の対応が心配ならもっと安心できる兵士を指命すれば良かった話だったんじゃ。命を狙う相手なのに大切に思う必要があるの。
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