絶対に守るから。

何でだよ

悲しい顔をしなくてもヘゥインは起きてる。いや、俺が今から起こしてやる。一応、殺し合わなきゃいけないとしても家族なんだ。俺が一方的に止めを刺したら面白くないだろ。さぁ、ヘゥイン。起きて俺と勝負しろ。

「!?」

眠っていたはずのヘゥインが一飛びで俺の首を掴み、力を加えていた。俺を見る目はまるで縄張りに入ってきた敵を噛み殺そうとしている肉食獣のように野生的で恐怖を覚えた。けれど、ヘゥインの言いたい事は分かっているんだ。そばにいた鬼と不死の半獣半人、吸血鬼と人間の間に生まれた子供を巻き込みたくないって話だろう。良いぜ、そいつらは外の世界に出してやるよ。但し、手抜きなんてしたら容赦しないからな。
3人を暗闇の外へ戻すとヘゥインと俺は互いに距離を取った。だって今から始まるのは殺し合いだ。常識だろ?
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