絶対に守るから。

俺たちがいるさ

ミオラスの墓で五時間も動かずか。カーレイジの墓の前ではどうなってしまうんだろうな。今日が落ち始めた所を見ると、今日中に家に帰れないだろうな。早くて飲み屋すら終わっているような時間に顔を上げるか、日が上ってから顔が上がるか。カーレイジの事になると俺でもよく分からん。でも、1つ言えるのはどの死においても彼女が後悔していない死はないという所だろう。

「・・・っ」

ほらな。カーレイジの墓の前に座った瞬間、言葉になる前に涙が出る。そして、声にならない何かを訴えながら墓石に触り、泣き崩れる。分かっていたさ、何もかも。彼女がカーレイジをずっと愛し、忘れられた後もずっと気にかけ、仕事以外の場所で陰ながら助けていた事も。カーレイジは分からなかったみたいだが、弟をあの城の兵士になれるよう仕組んだのも彼女なのだから。また会えるように、分からなくてもそばにいられるようにずっと気を回していたんだ。
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