私の最後の夏の思い出
ープロローグー
三ヶ月。捉え方によっては、長くも短くもなる微妙な時間。

しかし、二度と戻れないその瞬間は、ある人からは苦しみを、またある人からは幸せを奪い、唯一無二の思い出を残して去った。


その後に残るのは、行き場を失った涙。

一度溢れ落ちた涙を目の中に戻せないように、一度過ぎ去った時は二度と戻らない。


ほんの一瞬でも心を緩めてはならない。

何かに対して『面倒臭い』と思ったその数秒は、誰かがどうしても生きたかった一瞬なのだ。
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