Deal×Love
彼はすぐに視界に入ってきた。

全てがスローモーションに見えた。

スラッとした手足。

ピシッと身体にフィットしているスーツからでも分かるほど、ガッチリとしている胸板。

程よく白い肌。

綺麗にセットされた清潔感のある黒い髪。

彼を観察していたら、切れ長の目と視線が絡まった。

次の瞬間、彼はフワリと微笑んだ。

吸い込まれてしまいそうな黒い瞳に目が離せなくて、身動きが一切取れなくなる。

それに鼓動が変に煩い。

男の人にこんなこと言うのも失礼かもしれないけれど、綺麗な人。

思わず見惚れてしまった。

男性への免疫力が低すぎるせいかもしれない。

すると彼は畳に膝を付いた。
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