Deal×Love
「そんな畏まらないで。君を利用するのは俺だってそうだから」

頭を上げると彼は申し訳無さそうに眉尻を下げていた。


「結婚式はしないように話を進める。だけど大祖父様だけには会ってもらえるかな。住む所とか準備は俺の方でやっても良いかな?」

「お願い致します」

「じゃあ宜しく、椿さん。俺のことは『海』で良い」

彼は薄く笑うと私に手を差しだした。

『海』なんて呼べるわけない。


「宜しくお願い致します、海さん」

私達は握手を交わし、契約の結婚に合意した。
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