Deal×Love
次の日。


「椿!メールしたのに直接言うからなんて言われたから、気になって眠れなかったじゃない!どうなったの!?」


私が車から降りた瞬間、門で待ち構えていたアリサが挨拶もせずに駆け寄ってきた。

校門前でかなり生徒がいる。
素が出てるけれど、良いのだろうか。

「お姉様……」

周りを気にしていたら、先に降りた桜がアリサの言葉にまた不安げな表情を浮かべた。

「桜、気にしないで。先に行ってちょうだい」

私は桜の背中を撫でて落ち着かせた。

「あ、桜ちゃん、おはよう」

アリサは興奮しすぎていたのか桜すら目に入ってなかったようで、今更挨拶した。

「おはようございます。では失礼致します」

桜はアリサに気遣ってか、頭を深々と下げると門を通って学校に向かっていった。
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